伝統芸能・観劇

2018年2月11日 (日)

国立劇場 2月文楽公演 『摂州合邦辻』

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こんにちは、にわ子です。

今日は咲甫太夫の織太夫襲名披露狂言 摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ) を聴きに行って来ました。
劇場建物沿いの歩道に「六代目竹本織太夫」の幟がならび、ロビーにはお祝いの胡蝶蘭や各界の著名人から贈られたご祝儀袋などが展示され華やいだ雰囲気です。

第二部の演目は

花競四季寿(はなくらべしきのことぶき)  万才・鷺娘
八代目竹本綱太夫五十回忌追善/豊竹咲甫太夫改め六代目竹本織太夫襲名披露 口上
追善・襲名披露狂言 『摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ) 』 合邦住家の段

襲名の口上は、師匠の咲太夫が挨拶を述べ、主役の織太夫は隣で一言も話さずにひたすら頭を下げているという独特のスタイル。

襲名披露演目『摂州合邦辻』で、織太夫は師匠咲太夫の「切」のおくりから後半を語りました。いつもながらよく通る声で、合邦・玉手をはじめ何人もの登場人物を演じ分けます。
娘の玉手御前(たまてごぜん)に刃を突き立てた父親合邦の締め付けられるような「ヲイヤーイ…ヲイヤーイ…」の嘆き。苦痛にあえぎながら、全ては俊徳丸を命を救うためだったのだと告白する玉手。一同悲しみの中、ちょっとクスッ笑いを誘う奴入平。
燕三さんの三味線とかけ声が、事態の切迫感や場の悲壮感を高め(燕三さんも力が入っていましたね~)、太夫の語りととても良く合っていました。

まだ42才と若いながら実力と安定感抜群の織太夫。さまざまな方面に活躍が期待されます。
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5月には東京で人形遣い吉田幸助さんの玉助襲名披露公演もあります。
文楽や歌舞伎は、ちょっと観劇の間が開くと、名前を襲名していたり若手が入っていたりでついていくのが大変ですが(笑)、彼らの成長を長く見守り、一緒に喜んだり、時に心配したりするのも伝統芸能の楽しみですね。

にわ子

2018年1月25日 (木)

国立劇場 初春歌舞伎公演 「通し狂言 世界花小栗判官」

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こんにちは、にわ子です。

首都圏大雪の翌日23日に、国立劇場の初春歌舞伎公演 「通し狂言 世界花小栗判官(せかいのはなおぐりはんがん)」を観てきました。

天気予報で前日22日の大雪警報を聞いた時はイヤ~な予感が…。4年前の2月の大雪では電車が全く動かず、楽しみにしていた文楽2月公演のチケットを無駄にした苦い経験があります。
今回は電車の遅延はあったものの、早めに家を出たこともあり、無事開演前に着くことができました。ホッ。

舞台は室町時代、足利家の宝を盗み出し天下を掌握しようと謀る盗賊・風間八郎(菊五郎)と、彼の野望を阻止しようと奔走する小栗判官(菊之助)、関わる人々の忠義や悲劇が描かれます。

オケのような下座音楽に始まり、真っ暗に暗転した場内と舞台の星空に浮かび上がる馬のシルエットが、これから始まる物語へのわくわく感をかき立てます。


序幕<春>。「鎌倉扇ヶ谷横山館奥庭の場」では、何と言っても馬「鬼鹿毛(おにかげ)」のウマい足運びに目がくぎ付け。
後ろ足の人はかなり苦しい体勢…なんて野暮なことを考えてしまいますが、判官を乗せたまま、将棋盤の上に後ろ足2本で立った姿に拍手喝采です。

二幕目<夏>の浪七(松緑)の家のシーンは時事ネタが満載。
「湖水檀風の場」は櫓や網を使った浪七の派手な大立ち回りがテンポ良く続きます。衣装や舞台セットがブルー系の落ち着いた色合いなのも良いし、その前の照手姫(右近)を追い花道を引っ込む浪七の韋駄天走りも格好良い。瀬田の橋蔵(橘太郎)がボヤいていたように、今回の松緑はとても美味しい役ですね~。

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三幕目<秋>では判官・照手姫・お駒(梅枝)の三角関係から、許嫁カップル、母娘の全員が不幸な結果に…。
判官に恋してはしゃいだり、嫉妬したりの可愛いお駒が、諦めさせようとした母に殺され、「恨み晴らさでおくべきか~」ヒュードロドロとお岩さんのように判官に祟るところは、「え?そうなるの?」の意外な展開でちょっと苦笑。

大詰の<冬>で、判官と照手姫は判官を治すため訪れた熊野で風間から宝を取り戻し、熊野権現の力で目や足も回復、大団円となります。


見せ場が盛りだくさんの華やかな楽しい舞台でした。
菊五郎はスモーク多用の省エネ出演かな。
欲を言えば、オープニングであれだけ「馬」を強調していたのだから、後半にも馬の出番を作って欲しかったです

今回は残念ながら初日に希望の席が取れず、お正月ムードも醒めた頃の観劇になってしまいました。
やはり初春歌舞伎は初日に観たいですね。来年は頑張るぞー。

最後にお楽しみの「手ぬぐい撒き」はかすりもしませんでした(笑)。

にわ子

2017年12月25日 (月)

国立劇場12月歌舞伎公演「隅田春妓女容性」

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こんにちは、にわ子です。

今年は春からいろいろあって、なんと9か月ぶりの観劇です。
また、いつもは公演が始まって早い時期に見に行くことが多いのに、今回は千秋楽まであと2日というクリスマス・イブの観劇になりました。

国立劇場12月歌舞伎公演 通し狂言「隅田春妓女容性(すだのはるげいしゃかたぎ)」 、主役の梅の由兵衛を中村吉右衛門が演じます。

梅堀の由兵衛が、かつて仕えていた三島家から盗まれた「重宝の『色紙』」を取り戻し、合わせて三島の娘で今は芸者になった小三(こさん)を、駆け落ち相手の金五郎ともに国許へ帰してやろうと尽力するお話。
色紙を盗み出した源兵衛一味による妨害と、女房小梅(こうめ)の弟 長吉(ちょうきち)をはずみで殺してしまうなど、忠義と苦悩が描かれています。


登場した由兵衛(中村吉右衛門)は全身紫のコーディネート。サギとカラス模様の着物に宗十郎頭巾。最初から頭巾右こめかみの鍵が気になりますが、後に「短気を封印するためのカギ」と分かり、へ~。(゚Д゚)
腰に下げた緑の煙草入れ胴乱(どうらん)も目立ち、これはのちに重要なアイテムに…

Photo由兵衛の女房小梅を尾上菊之助が弟の長吉と一人二役で務めます。彼の女形はいつも近寄りがたい美しさがあり、菊之助が舞台に出ると彼ばかり目で追ってしまいます(笑)。小梅は全幕通して紫のコーディネート、長吉も紫です。

見所の1つは菊之助の「小梅と長吉の早変わり」。
蔵前米屋の塀外と二階で、梅→長→梅→長と目まぐるしく入れ替わります。最後に客席を背にして長五郎にのしかかられた長吉が、「いつ入れ替わるかな~」との客席の予想を裏切り、振り返るとすでに菊之助に替わってたことが分かり皆拍手!おみごと!

また、本所大川端の場では客席に降りるサービスも。
人通りの少ない道」と、由兵衛に誘導され、不安げに客席通路を縦断したあと花道に戻った長吉の「これでようよう、いつもの道に出ましたな」のホッとしたような一言にお客さんは大笑いです

この後、同じ目的の百両を巡っての由兵衛による長吉の殺害。更に由兵衛は源兵衛に殺害現場に残された胴乱や重宝の色紙と引き替えに小梅との離縁を迫られることになります。小梅に去り状を突きつける由兵衛の苦悩と、夫の罪を我が身に被ろうとする小梅の苦悩…

最後はニセの色紙を渡した源兵衛を追って紅白梅の咲く川端での立ち回り。
無事に色紙を取り戻し、金五郎と小三はめでたく帰参できることとなり、ここで「本日はこれにて~」の大団円。

ストーリーも分かり易く、笑いあり涙ありの楽しい舞台でした。
勘違い・記憶違いありましたら、どうかご容赦を。m(_ _)m

「隅田春妓女容性」の前に「今様三番三(いまようさんばそう) 」があり、中村雀右衛門の両手に白旗を持っての立ち回りは、宙を舞う布の先端まで綺麗にコントロールされていて、こちらも見応えがありました。


次の観劇は国立劇場 初春歌舞伎公演 「世界花小栗判官」です。
1月はいつも初日に行くのですが、今回は諸事情により、かなり公演後の方での観劇になります。お正月ムード満点の初日に行けなくて本当に残念。(ノД`)

 

Simg_2025『昨日の観劇弁当:ピーマンの肉詰め、大根とさつまあげの煮物、ほうれん草のなめ茸和え、白菜とキュウリの浅漬け、ウズラのひよこ、鮭フレーク、ごはん、みかん』

今回は電車で行ったため、使い捨てのフードパックです。

にわ子

2017年12月17日 (日)

第463回 花形演芸会

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こんにちは、にわ子です。

今回の花形演芸会はチケット争奪戦だったので、お客さんは若者が多いかなと思っていましたが、結構年配の方も多かったです。

演目は

前座 落語「雑俳」 橘家門朗
落語「猫の皿」 春風亭柳若
浪曲「真柄のお秀」 国本はる乃
漫才 ホンキートンク
落語「たらちね」三遊亭萬橘
          ― 仲入り ―
漫才 - ゲスト - 爆笑問題
ジャグリング ストレート松浦
講談「神崎の詫び証文」 神田松之丞

久しぶりの生で聞く落語や漫才に、前半から涙がでるくらい笑いました。まくらは本当にいいですね~。私は若い頃中野区上高田住んでいたことがあるので、柳若の上高田ネタがよりリアルに楽しめました。

国本はる乃の浪曲は、浪曲そのものが初体験だったので、独特な節回での語りを聞きとろうと集中。それなのに大女お秀に求婚した朝倉家家臣の真柄が、急に国に逃げ帰ってしまった訳を聞き逃してしまい残念。どうしてだったの?
まだ21歳というはる乃ののびやかな声がよく響き、舞台セットもぱっと赤い花が咲いたようにとても華やかでした。

三遊亭萬橘さんはとても38歳には見えません(笑)。

ゲストの爆笑問題が舞台に登場した時に最初に思ったのは「スーツが高そう」と「太田さん、顔色悪い」です(笑)。
日馬富士・貴ノ岩の暴行事件や貴乃花親方と相撲協会の確執、「このハゲーっ」の豊田さん、今年の漢字、話題になった芸能人など、時事ネタを次から次へと繰り出すテンポの良さはさすが。司会・MCが主な仕事になってもちゃんと漫才もするところ、大物芸人なのに若手中心の花形演芸会に毎年ゲスト出演してくれる事に好感をもちます。やはり別格。

トリは神田松之丞。この時期にぴったりな忠臣蔵ものです。
取り憑かれたかのように体全体で語る松之丞の「神崎の詫び証文」は、神崎与五郎と丑五郎の心情がひしひしと伝わってきて、期待に違わぬ巧さ。
次に泉岳寺へ行ったときには、神崎与五郎のお墓も確認してこようと思います。

いやー、話芸ってすごいなあ。

満足の3時間15分でした。

にわ子

2017年11月11日 (土)

12月花形演芸会チケットを確保!

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こんにちは、にわ子です。

毎年発売日を忘れて取りそこねていた、漫才コンビ「爆笑問題」がゲスト回の国立演芸場「花形演芸会」のチケットをようやくゲットしました。

特に今回(12月 第463回 花形演芸会)はかねてから聴いてみたいと思っていた講談師「神田松之丞」が忠臣蔵もの「神崎の詫び証文」でトリで出演します。

昨日10日(金)の「あぜくら会」先行発売で「座席任意選択」にするか、「自動選択」にするか迷い、「ダメだったら一般発売で再チャレンジ」と思いつつも無事先行の座席選択で希望通りの中央寄り通路席を確保

今回は特に人気で、今日の一般発売も一瞬で完売だったでしょう。

まだ安静とリハビリの毎日で退院がいつになるかは不明ですが、12月16日(土) は何としても行きますよ~。 翌週には吉右衛門の国立劇場12月歌舞伎公演の観劇も控えています。

いろいろあって、9か月も劇場から足が遠のいていただけにとても楽しみ♡

「チケット取りのため、10時からのリハビリにちょっとだけ遅れます。もう一瞬で決まりますから。」に、笑って「OK。がんばって!」と言ってくれた先生ありがとうー。
リハビリも頑張ります。

にわ子

2017年3月 5日 (日)

3月歌舞伎公演 「伊賀越道中双六」 国立劇場

こんにちは、にわ子です。

国立劇場の3月歌舞伎公演 「伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」 を観てきました。 

前にも文楽や歌舞伎で観たかな…と思いつつも、確信はありません。 いかんせんすぐに忘れてしまう上に、公演プログラムも過去のスケジュール帳も「断・捨・離」で処分してしまいました。 劇場に行ったとしても「寝ていた」可能性も高い(笑)。

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さて、今回の「伊賀越道中双六」、とても面白く良い舞台でした。 久しぶりに歌舞伎を観て泣いてしまいましたもの。

序幕~二幕目は上杉家の家老 和田行家が家中の沢井股五郎(さわいまたごろう/錦之助)に殺される所から、行家の息子志津馬(しづま/菊之助)が敵討ちの旅に出るまでです。
志津馬の姉で唐木政右衛門(からきまさえもん/吉右衛門)の妻であるお谷(雀右衛門)が最初から「不幸」な感じを漂わせています。 円覚寺門外で襲われ、股五郎は逃亡、「正宗の刀」も奪われた手負いの丹右衛門が切腹するシーンでは、志津馬が敵討ちに向かわねばならなくなった理由が良くわかりました。 責任は自分が負い、犯罪者として股五郎を処罰するのでは無く、敵として討てと言い残す丹右衛門。 実は私「敵討ち」のルールも知りませんでした。 上杉家の権力の及ばないところでないといけないのね。 沢井のヤツらめ、許せーん。

続く三幕目、藤川新関では茶屋の娘お袖(米吉)が可愛いのなんの! 美男子の志津馬(そりゃあ菊之助だから納得です)にうっとりして、手ぬぐいを落としたのも気付かずにお盆をなで回し続ける。 いそいそと髪を整える。 志津馬に見とれて手元も怪しく、急須のお茶を湯飲みの外へ注いでしまう。 後ろを向いてもお盆を鏡代わりに志津馬をチラ見など、会場はクスクス笑いで和やか~。 志津馬はクール。 
志津馬とお袖に書状と切手を奪われる滑稽な奴助平(すけへい)を、丹右衛門と同じ中村又五郎が演じているのがすごい。 あんなにシリアスな門外の場での熱演から次の新関の場ではスケベー。 どちらも好演です。 関所の門が閉まった後でいよいよ吉右衛門の登場。

四幕目 岡崎 では、志津馬はお袖の恋心を利用し、上手く股五郎になりすまします。
政右衛門が、股五郎の見方であるお袖の父 幸兵衛(歌六)から素性を隠す為、やっとの思いで夫を追ってきたお谷と赤子を雪の中へ追い払い、包丁で莨(たばこ)の葉を刻み続ける場面では、政右衛門の苦渋に満ちた表情から目が離せませんでした。 包丁の音が悲しく響き、誰も見ていないのを見計らって妻にかけ寄り抱き起こした政右衛門が「行けと申すに!」と立ち去るよう急き立てる辛さに、涙を押さえることができません。
この夫婦・親子は更に悲劇に向かいます。 息子をあんな形で失うとは… 可愛いお袖も志津馬と政右衛門の素性がわかった後で、「え?」→「ええーっ?」と二段重ねでビックリさせてくれます。

大詰 伊賀上野 敵討ちの場  先程までの暗~い、辛~い場面から一転して、照明の明るい舞台で隼人→種之助→両手に刀を持った吉右衛門と、敵を打ち負かして行く立ち回りがテンポ良く続きます。 10分の短い間ですが、展開が早く爽快です。 そして志津馬は股五郎を討ち、本懐を遂げるのでしたー。

めでたし、めでたし…と言うには、あまりにも女性が不幸。 ですが、最初から最後まで飽きさせず、シリアスで、笑えて、悲劇に泣いて、爽快、な舞台に満足です。  勘違いや記憶違いがありましたらご容赦ください。

鑑賞教室はたぶん行かないので、次は10月かな~。 もう今から待ち遠しいです。

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『今日の観劇弁当:いなり寿司/甘辛チキン/菜の花のカラシ和え/たけのこの土佐煮/さくら伊達巻き/ウズラのうさぎ/かまぼこ/にんじんのグラッセ/プチトマト/和菓子』

にわ子

2017年2月 7日 (火)

2月文楽公演 【第三部】 冥途の飛脚(めいどのひきゃく)

こんにちは、にわ子です。

2月文楽公演 【第二部】 に引き続き、【第三部】  冥途の飛脚(めいどのひきゃく)を観ました。 

《冥途の飛脚》 飛脚屋の後継ぎ養子忠兵衛が、遊女梅川に入れ揚げ、友人八右衛門の苦言も聞かず、ついには公金に手を付けという取り返しの付かない大罪を犯し、追っ手に怯えながら梅川と二人で逃亡して行くお話。 (と、解釈しています)

「淡路町の段」では病気療養中の松香太夫の代役を咲甫太夫が務め、観客から「咲甫太夫っ!」と声がかかっていました。 咲甫さんはよく声が通り、女性ファンがいっぱいいそうです。 私の耳には咲甫さんの声はちょっと高すぎ(笑)なのですが、安定しています。
忠兵衛が登場すると、いかにも「若旦那」な足取りに目がグギ付け。 朝ドラ「朝がきた」の新次郎さんの歩調ですね(笑)。 歩幅を狭く、ひょいひょいと歩きます。 主遣いは吉田玉男さん。 忠兵衛は二枚目の色男で、本人は真剣なのにちょっと滑稽に描かれています。 
奥は呂勢太夫さんで、堂島のお屋敷に公金を届けにいくはずの忠兵衛が、梅川の元に向かってしまい(いつもの習慣で?)、花街へ続く橋の前で「(公金を)置いてくりょ…か」「行てのきょ…か」と何度も繰り返し、葛藤した末に梅川の元へと向かってしまいます。 もうこの時点で破滅へと向かっているのでしょう。

「封印切りの段」は千歳太夫。 以前はちょっと苦手だった千歳さんですが、最近はとても聴き易く感じます。 禿のセリフだけが、ちょっと苦しいかな~。 その禿が三味線を弾く場面では、禿の弦を押さえる左手が、富助さんの手の動きとよりシンクロして欲しい。 皆さん期待して見比べているので。 
これ以上忠兵衛が深みにはまらぬようにとの気持ちから、梅川のいる「越後屋」で苦言を呈した八右衛門ですが、返って短気な忠兵衛を逆上させ、ついに忠兵衛は懐に入れていた公金の封印を切ってしまいます。 自分でしでかしておきながら、梅川の無念さを晴らしたくてやってしまったというのはどうなの? 皆に小判をバラ撒いていたし。 言い訳しながら梅川にすがりつく忠兵衛。 越後屋の人達が戻ってきて門が開いたことを知らせ、忠兵衛の「その千日が迷惑」のセリフからは更に芝居のテンポが上がり、ガクガクしながら急ぎ花街を出ようとする二人の焦りと恐れが人形の動き、千歳太夫の語り、三味線の不気味な旋律で伝わります。

「道行相合かご」 「生きらるるだけこの世で沿おう」 と、新口村に住む忠兵衛の実父のもとへ向かう追われる身の二人(ここでも忠兵衛の若旦那歩き)。 寒々しい景色と三味線が、この先の不幸を予感させます。

2月公演のチラシでも触れられていましたが、私も題名「冥途の飛脚」はこの話の内容を巧みに表し、また人々の興味を引かせる、絶妙な題名です。 「地獄の上の一~っ足飛び!」 忠兵衛の行動がどんどん自身を危険な方向に追い込んでいくハラハラの演目、良かったですよ~。

次の東京公演は5月。 英太夫の「呂太夫」襲名披露公演ですね。 劇場のポスター・チラシで知りました。 私が初めて聞いた「淡路町の段」の「置いてくりょ…か」「行てのきょ…か」は英さんで、この時はお客さんが大いに笑ったと思います。 5月は大相撲も見に行きたいので、チケット代の捻出に悩まされそうです。

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『今日の妻弁当:ソーセージ玉子/切り干し大根の煮物/松前白菜漬け/小松菜ともやしのカラシ和え/鮭缶/かまぼこ/プチトマト/青菜ごはん』

にわ子

2017年2月 6日 (月)

2月文楽公演 【第二部】 曾根崎心中 (そねざきしんじゅう)

こんにちは、にわ子です。

2月文楽公演 【第二部】 曾根崎心中を観てきました。

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《曾根崎心中》 醤油屋の手代徳兵衛が、友人だと思っていた九平次に伯父に返す金をだまし取られ、死んで身の潔白を晴らそうと、相思相愛の仲の遊女お初曾根崎天神森で心中するお話。 (と、解釈しています)

「曾根崎心中」で私が一番心を揺さぶられるのは二人が最期を迎える「天神森の段」で「森の雫と散りにけり~」と太夫が語り終えた後の三味線です。 もの悲しく、不安をかき立てる旋律が、徐々に速く激しく危機感を高めてゆき、徳兵衛がまさにお初ののどに脇差しを突き立てようというところで…静かに終わる。 視覚に訴える人形の美しさに加え、あの旋律がいつまでも耳に残ります。

さて、最初に戻って、徳兵衛が九平次にお金をだまし取られたあげく、散々な目に遭う「生玉社前の段」は私が好きな文字久太夫です。 文楽の義太夫は私にはどこがどう良いとは上手く説明できないのですが、たぶん文字久さんの声や節回しが私にとっては聞きやすく心地よいのでしょう。 九平次のセリフと九平次場面の状況(心境?)は同じ調子で語っているのに初めて気づきました。 また勘十郎さんの「お初」は、いつものことながら体全体の動きが柔らかく細やかで、お初がちょっと驚く、ちょっと不安そうな仕草をするだけで、そちらに目が行ってしまいます。 お初も徳兵衛もいつものように美しかった(当たり前ですね)。 

二人が死を覚悟し、ともに天満屋を抜け出す「天満屋の段」の咲太夫さんは、昨日は少し声がガラついていたように感じました。 いつもの迫力がなかったような…

この日はあいにく曇り空でしたが、国立劇場前庭の梅の花を撮ってきました。 可愛らしいメジロが数羽飛び交っており、今年は梅の開花が早いそうで、こちらの花も結構咲いています。 「曾根崎心中」は開場から開演までが予定では15分と、とても短いのですが、お時間がありましたらぜひご覧になってください。 特に正面の「白加賀」は日を追う毎に綺麗になるでしょう。 以前「あぜくらの集い」で、文字久さんがこの「白加賀をぜひ観てね」とおっしゃっていました。 

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『今日の妻弁当:焼きそば/インゲンのごま和え/鮭缶/赤ウィンナー』

今朝はもう疲れてしまって…

にわ子

2017年1月 7日 (土)

チケット確保 2月文楽公演「曾根崎心中」「冥途の飛脚」

こんにちは、にわ子です。

昨日の「あぜくら会」の先行発売で、「希望する日程・席位置」が取れなかった文楽2月公演のチケットを、今日の一般発売で無事取ることができました。 会員用とは別に、一般発売用に各席種を確保してあるのが国立の良いところ。 あぜくら会員はチャンスが2回です。

2月文楽公演は
【第二部】曾根崎心中
【第三部】冥途の飛脚    を、週末に二部・三部と続けて観劇予定です。

第二部の「曾根崎心中」が人気で(まあ、そうですよね)、国立劇場チケットセンターの販売状況では土日はすでに残席無しの表示ですが、私が先に押さえたのは「冥途の飛脚」のほうです。 2008年の2月公演でのこの演目が私の初文楽でした。 その後も文楽はもとより歌舞伎で観ても、やはり引き込まれる演目です。 最初に観たのが人間関係が複雑な「時代物」だったら、その後文楽を見続けることは無かったかもしれません(笑)。 

今日はツレアイ君のスマホ(2016年の型)を借りて取ったのですが、全く問題なく繋がり、2件ともスムーズに購入完了。 最近チケット取りで苦戦していた私のスマホ(たぶん3年くらい前の型)は、ツレ君と同機種に換えてもらうことにしました。 それも数年で「遅い!」になるのでしょうけど。

明日からは大相撲初場所が始まります。 こちらも楽しみです。

にわ子

2017年1月 4日 (水)

「初春歌舞伎公演 しらぬい譚」初日 国立劇場

こんにちは、にわ子です。

国立劇場の「初春歌舞伎公演 しらぬい譚(しらぬいものがたり)」初日を観てきました。
今回は花道外での観劇です。

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家を出るのが予定より30分ほど遅れ、半蔵門駅に着いたのが10時頃、鏡開きは二階正面の最前列で見ることができました。 中央は報道関係者で占められているため、そこそこ良い位置です。(^-^)

あらすじはチラシやネットで皆さんご存じかと、印象に残ったところだけ書きたいと思います。 公演プログラムを買っていないので、記憶違いや勘違いがあったらごめんなさい。

国立劇場恒例の音羽屋の初春歌舞伎公演、菊之助のちょっと近寄りがたいような美しい女形が好きで、楽しみにしていた演目です。 

発端の「若菜姫術譲りの場」は海中を泳ぎ回る魚群の光景から始まります。 物語が進むに連れ、菊之助は「(土蜘蛛の精に自分の生い立ちや仇敵菊地のことを知らされ、妖術を教わる)海女すずしろ」→「(菊地家に入り込む男装した若菜姫)七草四郎」→「(蜘蛛の妖術で菊地家への復習を謀る)若菜姫」へと姿を変えます。 

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今回の公演の目玉になっている、舞台下手から客席の上を斜めに飛ぶ「筋交い(すじかい)」の宙乗りは、意外に早く、二幕目奥庭の場の最後、定式幕が下手に引かれ暗くなったところで始まります。 尺八の音色にのって 一階花道近くのお客さんが思わず手を伸ばすほど低い位置で飛び始め、ゆっくりゆっくり、怪しげに「蜘蛛の糸」を放ちながら、斜め上に飛んで行きます。 壁にも蜘蛛の巣模様が映し出され、今まで観た宙乗りの中でも、印象に残る演出の一つでした。 二階席の方がよく見えそうです。

三幕目は、自らの命と引き換えに秋作(松縁)を救う乳母秋篠(時蔵)の忠義のひと幕…のはずなのですが、乳母秋篠が病気の秋作にまさかの愛の告白(笑)。 だって、自分のお乳を飲ませて育てた「わ子様」ですよ。 これにはびっくり。 秋作と乳兄弟の息子の制止も聞かず、秋作の許嫁輝葉(梅枝)を押しのけ、秋作に道ならぬ恋を語り迫る秋篠。 時蔵パパと息子梅枝が大いに笑わせてくれました。 結局は自分の生き血を秋作に飲ませることで蜘蛛の毒を解き、母の血を秋作に飲ませた事を息子の手柄にするための行為だったのですけどね。 時蔵・梅枝 親子がこの幕の美味しいところをみんな持って行きました。 ここで寝てはもったいないです。

四幕目の「錦天満宮鳥居前の場」では、本物?と思うような亀蔵さんのピコ太郎が観られます(芸能系の記事でも報じられていますね)。 裏切り者の大友刑部とノリノリのピコ太郎のギャップがすごい。 そういえば、何年か前に「戦場カメラマン」が登場したのも、音羽屋の初春歌舞伎公演でした(笑)。

菊之助の宙乗りは大詰でもありますが(今度は3階から舞台下手へ向かう)、特別な演出は無いようで、妖術で舞台の海を荒らし、波がうねります。 菊之助の妖術を破る菊五郎の「花形の鏡」がピカーっと光ると(←ライトだから)、客席からクスクスと笑い声。 

大詰では、少々大道具の転換に手間取っていた感がありますが、初日ですから今後もっともっと良くなるでしょう。 

最後は恒例の手ぬぐいまき。 花道から2階にも投げ入れてくれると、更に客席が沸きそうです。

先月の「忠臣蔵」と打って変わって、笑い所のたくさんあるお正月らしい歌舞伎公演でした。

にわ子

帰宅途中で駅伝復路の結果を見ました。
○大の選手たち、また来年頑張って。 ずっと応援します!